避難所生活で発症しやすい病、エコノミークラス症候群とは?

避難所生活で発症しやすい病、エコノミークラス症候群とは?

今年の夏は、大阪府北部地震や千葉県での地震、そして気象庁も”災害級”とした異常な暑さなど、自然災害に関するニュースが相次ぎましたが、そのなかでも特に印象が強かったのが西日本豪雨ではないかと思います。

正式に『平成30年7月豪雨』と名付けられたこの災害では、死傷者600名以上、住宅被害は45000棟に及び、数多くの方々が避難所生活を余儀なくされました。

避難所生活といえば、長引くほどにリスクが高まるのが災害関連死です。
今回は、避難所生活で起こりやすい病気と、そのなかでも特に恐ろしい、死に直結する病「エコノミークラス症候群」についてまとめてみました。

避難所生活

避難所生活で発症しやすい病気

避難所生活では、学校の体育館や公民館内で、たくさんの人と共に過ごすことになります。そんな避難所生活のなかで発症しやすい病としては、どんな種類があるのでしょうか?

 

■熱中症

今年の西日本豪雨における避難所生活では、異常な暑さが重なったことから、熱中症の問題はとても深刻でした。夏の避難所生活では、やはり熱中症には特に注意しなくてはなりません。できるだけ暑さを回避することと、こまめな水分補給が大切です。

室内で熱中症になってしまったひと

■食中毒

避難所はどうしても不衛生になりがちで、ノロウイルスなどによる集団食中毒が発生しやすいです。調理・食事前に充分に手を洗う、下痢・発熱の症状がある方は調理や配膳を行わない、出された食事は早めに食べる、調理場や食器等をできる限り清潔に保つ、などの予防対策が必要不可欠です。

胃腸のあれ

■感染症

不衛生な環境下であるため、インフルエンザや肺炎などの感染症の蔓延も警戒する必要があります。対策としては、やはり衛生環境の改善が大きな課題となります。また、がれきの撤去などを行う方は破傷風にも要注意です。

細菌・バイ菌

■うつ病、PTSD

陥りやすい心の病としては、うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)が挙げられます。被災時の急性ストレスや、慣れない避難所生活での睡眠不足、緊張、不安感がこれらを誘発する可能性があります。

ネガティブな人

そしてこれらの他にもうひとつ、避難所生活で要注意の疾患とされているのが、エコノミークラス症候群です。

 

エコノミークラス症候群とは?

エコノミー症候群

エコノミークラス症候群という病名は、聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。エコノミークラス症候群は、正式には「肺血栓塞栓症(静脈血栓塞栓症)」といい、発症すると以下のような症状が現れます。

・呼吸困難
・胸の痛み
・冷や汗
・意識喪失
・脚の腫れや痛み

特に息を吸うときに胸が痛くなり、状態によっては吐血することもあるそうです。呼吸がしづらくなるだけでなく、重症の場合はそのまま心肺停止にまで至ることがあるのが、この疾患の怖いところです。

 

エコノミークラス症候群は、下肢などの静脈にできた血の塊(血栓)が肺動脈で詰まることで起こります。要因として代表的なのが、飛行機の座席に長時間座ったままでいる、車の中で寝泊まりするなどです。

 

下肢の筋肉は加齢や運動不足で衰えやすく、そうして弱くなった筋肉で血流が悪化すると血栓ができやすくなるようです。

 

避難所生活においては、ずっと座ったままでいる高齢者や、駐車場で車中泊をする人などは特に要注意でしょう。

 

エコノミークラス症候群の予防法

避難所生活での突然死は、エコノミークラス症候群が原因であるケースが珍しくありません。それでは、避難所ではどのようにしてエコノミークラス症候群を予防すればいいのでしょうか?

●脚の血流を良くする
時々、簡単な体操を行ったり、避難所内の通路や周辺を歩いたりするなど、とにかく脚を動かすようにすると、血流が良くなり血栓の形成を予防できます。また、足首のストレッチや、ふくらはぎのマッサージも有効です。

 

●こまめに水分補給をする
脱水状態では血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。水分補給は充分に行うようにしましょう。ただし、アルコール類は逆効果ですので控えるべきです。

 

●ゆったりとした服装をする
血流の妨げにならないよう、服装はゆったり目のものを着用しましょう。ベルトもきつく締めすぎてはいけません。

 

●就寝時は足の位置を上げる
足の位置を少し高くして眠ることで、睡眠時の下肢の血流悪化を予防できます。

 

●異変が現れたら医療機関へ
動悸や息切れなど、体調の異変を感じた際はすぐに医療機関で診察を受けましょう。本人の努力だけでは予防が不可能な場合も当然あります。

 

今や自然災害は、今夏に起こった様々な災害のように、日本全国いつどこで起こってもおかしくありません。

避難所生活についても、長い目でみれば誰しもが決して他人事とはいえない状況であるように思います。

いざ自分の番が回ってきたときのために、知識を得て心の準備だけでもしておくべきかもしれません。

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冷やすべき?温めるべき?夏冷えと熱中症の関係

寒さに震える女性画像

夏の蒸し暑さのなかでは、氷入りのドリンクやアイスなど、暑さを一瞬忘れさせてくれる冷たいものが特に美味しく感じられますよね。さらに、それらを楽しむ場所が冷房の効いた部屋なら、もう何も言うことなしでしょう。

しかし、毎日冷たいものづくしで、エアコンがガンガン効いた部屋で過ごしていたら、何となく身体の調子が悪くなった、なんて経験はありませんか?

そんな生活をしていて体調がおかしくなったのなら、もしかしたらそれは夏の冷え性、いわゆる”夏冷え”と呼ばれる状態なのかもしれません。

 

夏冷えとは

夏冷えは、身体を過度に冷やすことで起こります。頻繁に冷たいものを飲食したり、必要以上に冷房で部屋を冷やすことが原因となるのです。夏の暑さ対策もやり過ぎは禁物、というわけですね。通年起こり得る冷え性と違い、自ら自身の身体を冷やす目的で原因をつくってしまうというのが、夏の冷え性ならではの特徴といえるでしょう。

夏冷えの状態になると、主に次のような症状が現れるようです。

・身体がだるい
・発汗の異常
・胃腸の不具合
・首や肩のこり
・免疫低下

体調不調の女性の画像

冷たい飲食物を取り入れることで内臓から冷え、下痢や便秘、腹痛を起こすのはよくみられる症状です。また、内臓の機能が低下するため免疫力も低下し、様々な疾患にかかりやすくなります。

冷房の弊害としては、身体を長時間冷やし続けることによる血行不良があります。過度に冷やされるなかで、身体が体温を維持しようとして血管を収縮、その結果、血の巡りが悪くなってしまうのです。

そして、血の巡りが悪くなると、体温調節機能を司る自律神経の負担が増えます。冷え切った内臓を再び温めるのに大変なエネルギーが必要になるからです。また、外出時には、室内外の温度差もその負担をさらに増加させます。

そういった過度の負担によって自律神経のバランスが乱れると、夏冷えの悪循環にハマってしまうほか、体温調節がうまくできなくなり発汗に異常が現れたり、別の様々な疾患へ連鎖してしまうリスクもあります。

 

夏冷えと熱中症の関係

夏冷えと熱中症。それぞれ全く別物のように見えますが、実は意外にも深い関係性があるようです。その理由として考えられているのが、夏冷えの状態は熱中症の一歩手前であるという事実です。

熱中症は、軽度ならめまいや立ちくらみ、筋肉の違和感程度ですが、重篤の場合は非常に危険です。意識が朦朧とするなかで体温の上昇や運動障害が起こり、そのまま死に至ることも珍しくありません。

そんな熱中症の引き金となるのが、体温調節機能の異常です。正常ならば、汗をかいて蒸発させる、皮膚表面に血液を集め放熱するなどして熱を逃がすのですが、それがうまく機能しなくなるのです。

そして体温調節機能の異常といえば、そのきっかけとなるのが夏冷えです。つまり、夏冷えの状態ではいつ熱中症が起こってもおかしくないということです。人間の身体は、熱くなりすぎると危険、冷えすぎても危険を招くというわけですね。

 

夏冷えの対策方法

夏冷えは身体に様々な不調を引き起こすほか、熱中症のリスクも高めてしまいます。熱中症を予防するためにも、なるべく夏冷えの状態にならないよう注意しなければなりません。夏冷え対策が熱中症対策にもなるので、以下のような方法を参考に、夏冷えの悪循環を未然に防いでいきましょう。

●内臓を温める
夏冷えの状態では、内臓が過度に冷やされ弱っています。温かい料理やホットドリンクでお腹を温め、内臓を元気にしましょう。内臓の調子が良くなれば、下痢や便秘などの不快な症状も治まるはずです。毎日でなく胃腸の具合が良くないと感じたときだけでも、温かいものを取り入れるようにすると調子を維持できます。飲食以外なら、温熱シートや腹巻きでお腹を温めるのも効果的です。

ハーブティー

●衣服で調整
例えば冷房の効いたオフィスで仕事をするなど、冷えた環境に長時間居続ける予定があるなら、身体を冷やしすぎないよう衣服で調整しましょう。通常の着衣に加え、手荷物に羽織ものや膝掛けなどを忍ばせておくといいかもしれません。

夏クーラー衣服で調整する女性イラスト

●冷えリセット
一日の終わりに、ゆっくりお風呂に浸かって身体を芯から温めることで、その日の冷えがリセットされます。お風呂が難しいなら、シャワーだけでも構いません。しっかりと全身にお湯を浴びてリラックスできれば、ストレスが和らぎ自律神経にも好影響です。

入浴で体を温める

夏冷えの対策方法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ただ一点、誤解のないように申し上げておきたいのは、熱中症対策としては身体を冷やすことも必要だということです。特に今年の夏は異常なほどの高気温を記録してますから、熱中症そのものの対策も決して忘れてはいけません。

熱くなっているのか、冷えすぎているのか、自身の身体の状態を自覚して対策を行いながら、残暑も健やかに乗り切っていきましょう。

 

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