新型コロナウイルスの騒動がまだまだ続きそうであるなか、自宅にいる時間が以前より増え、テレビを見たりスマホやパソコンを使う機会が多くなったという方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
また、仕事に関しても、自粛によってテレワーク(リモートワーク)の効率の良さが脚光を浴びたことで、今後はテレワーク時代に突入するともいわれています。
奇しくも新型コロナウイルスによって私たちの生活環境は変化を余儀なくされていますが、スマホやパソコンなどを長時間使う機会が増えると、心配になってくるのが、ブルーライトが及ぼす心身への影響でしょう。
ブルーライトとは
ブルーライトとは、肉眼で確認できる可視光線のなかで最も強力なエネルギーを持つとされる青色の光を指し、その波長は380〜500nm(ナノメートル)程度とされています。
ちなみに可視光線は380nm〜780nmまでで、380nm以下は順に紫外線、放射線、780nm以上は赤外線、マイクロ波、ラジオ波に分類されるそうです。
数値から見てもわかるように、ブルーライトは紫外線に近い光です。紫外線に近いほど波長が短くエネルギーが強いとされていることから、ブルーライトは医学的には高エネルギー可視光線(HEV)とも呼ばれます。
ブルーライトを含む光源には様々な種類があります。
・LED
・蛍光灯
・白熱電球
・水銀灯
・ハロゲンランプ
・太陽光
LEDのうち、白色LED、青色LED、紫色LEDにブルーライトが含まれるそうです。ちなみに白色LEDは、照明だけでなく、薄型テレビやディスプレイ、パソコンのモニター、スマートフォンやタブレットの画面など幅広く使用されています。
そのほか、蛍光灯や白熱電球などの照明にもブルーライトが含まれていますが、意外なのは太陽光ではないでしょうか。
太陽光は可視光線、赤外線、紫外線の混合ですが、割合は一定ではありません。紫外線が5%なのに対し、可視光線は50%を占めるといわれています。つまり、それだけブルーライトも少なからず含まれているということですね。
太陽の恵みともいわれる太陽光なだけに、実はブルーライトにも様々な効果があることが判明しています。
米ハーバード大学医学院によれば、ブルーライトは、反射神経や注意力の向上、精神の安定、睡眠の改善などに有効としており、昼間に多く浴びることを推奨しています。
ブルーライトは有害?
ブルーライトは有害であるともよくいわれますが、その理由は一体何なのでしょうか。
まずいえるのは、夜間に浴びると体内時計を狂わしてしまうという点でしょう。
人間は基本的に、概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれる体内時計に従って生活しています。
朝、光を浴びて脳が覚醒することで交感神経が優位になり、夜になれば副交感神経が優位になることで就寝へ向け心身がリラックスしていきます。
ところが、ブルーライトを夜間に浴びてしまうと日中同様に脳が目覚めてしまい、眠りに入りづらくなってしまいます。
脳が太陽光と勘違いしてしまうのです。これについては、就寝前にスマホなどを使用する人ほど睡眠障害に陥る割合が多いことから、厚生労働省も警鐘を鳴らしています。
また、目の角膜や水晶体は350nm〜800nm程度の波長の光を透過するため、ブルーライトによる目へのダメージも問題視されています。
最もエネルギーの強い可視光線であるブルーライトが、目の奥にまで届いてしまうのです。それでも、目の組織に存在するルテインという天然色素が吸収してくれますが、消耗し続け不足してくると守りきれなくなってしまいます。
ブルーライトが目のピント調節機能に負担をかけやすい点も指摘されています。
ブルーライトは波長が短く、空気中の粒子とぶつかり光が散乱しやすいため、いわゆるピンぼけを引き起こしやすいのです。
スマホやパソコンの画面を長時間見ていたら視界が少しぼやけるようになった、というのは、これが要因の一つかもしれませんね。
簡単にできるブルーライト対策
ブルーライト対策グッズとして、ブルーライトカット効果のあるメガネや保護フィルムが通販などで簡単に手に入りますから、それらを活用するのもおすすめです。
ちなみに保護フィルムは、テレビ用、パソコンモニター用、スマホ用などそれぞれに対応したものがあります。
しかしながら、これらのグッズも完全にブルーライトを遮断できるわけではありませんから、就寝前のスマホやパソコンはなるべく控えるべきでしょう。
ある程度ブルーライトは遮断できるとしても、そもそも寝る前に脳が活性化するとブルーライトに関係なく睡眠の質が低下してしまいます。
また、ルテインを摂取するのもブルーライト対策になるかと思います。
ルテインは目の奥に届いたブルーライトを吸収してくれますが、徐々に消耗していき、枯渇しても体内では作り出せません。
ルテインを多く含む食材としては、ケール、ほうれん草、パセリなどがあります。日々の食事で補い、目の防御能力を高めましょう。
太陽の恵みでもあり、ときに有害にもなり得るブルーライト。その特徴は把握しつつ、なるべく上手に向き合っていきたいものですね。