夏は紫外線が強く、日焼けしやすい季節です。一昔前までは小麦色の肌=健康的というイメージもありましたが、現在ではそうとも限りません。
株式会社プラネットが公開している「日焼けに関する意識調査」によれば、焼かない派が76.8%となっており、かなり多くの割合の人が日焼けに消極的という結果がでています。
実際、日焼けをすると、焼けた部位が赤い、かゆいといった肌トラブルが付きものです。それもそのはず、日焼けはやけど(熱傷)の一種とされていますから、肌に異常が現れるのも当然なのです。
日焼けによる肌へのダメージを抑えたいのなら、やはり日頃から予防対策、アフターケアを行っておくべきでしょう。ちなみに日焼け予防には日焼け止め(サンスクリーン剤)、アフターケアとしてはまず冷やすこと、そして保湿をしっかり行うことが基本です。
日焼けとは?
そもそも日焼けとはどんな状態を指すのでしょうか。
実は日焼けは、深度I度またはII度のやけど(熱傷)と定義されています。
つまり、太陽光によるやけどなのです。そのうえで、日焼けはそれぞれサンバーン(sunburn)、サンタン(suntan)と呼ばれる2種類の病態に分けられます。
日焼けの原因となるのは太陽光に含まれる紫外線です。紫外線はその波長ごとに様々な種類がありますが、日焼けを引き起こすのは近紫外線であるUVA、UVBとされています。
サンバーンとは、UVBが表皮を透過し真皮に達することで、直接的にDNAが損傷してしまう状態を指し、医学的には日光皮膚炎とも呼ばれます。
毛細血管の炎症によって、日焼けから2〜6時間以内に皮膚が赤い色になるのが特徴です。
サンタンは、UVAがメラニン細胞を形成するメラノサイトに働きかけることで起こる日焼けで、皮膚が浅黒く変色するのが特徴です。
これはメラノサイトが刺激されることによってメラニン色素が大量に生成されるためであり、色素沈着が日焼けから24〜72時間の間に進行します。ちなみにメラノサイトがメラニン色素を大量生成するのは、紫外線が真皮に達するのを防ぐためです。
サンバーンはDNA損傷という結果をもたらしますが、症状自体は長くは続きません。サンタンは数週間から数ヶ月続くこともあり、シミやシワ、ソバカス、タルミの原因になるなど美容面に影響がでてしまう場合があります。
また、日焼けした部位には以下のような症状が現れることがあります。
・痛み
・むくみ
・皮膚剥離
・発疹
・灼熱感
・水膨れ
これら以外にも、発熱や吐き気などの症状がでることもあるそうです。重篤な場合は心身衰弱により入院を余儀なくされたり、皮膚がんを発症することもありますから、たかが日焼けなどと侮ってはいけません。
日焼けの予防対策
日焼けの原因は紫外線ですから、まず太陽光に当たらないことが予防対策の基本となります。
完全には無理でも、陽に当たる時間をなるべく短くする、帽子や日傘などで直射日光を遮るなど、できる限り太陽光に肌を晒さないよう心懸けましょう。
陽に当たるのをどうしても避けられない場合は、日焼け止め(サンスクリーン剤)を使用します。日焼け止めにはクリーム、ローション、ジェル、スプレーなど様々な種類がありますが、重要なのはSPFやPAといった表記です。
SPFは1〜50+までの数値で表記されUVB対策に有効、PAは「+」で4段階までありUVA対策に有効です。どちらも、数値や+が多いほど効果が高いとされています。ただし、一度塗ればいい、というわけではありません。汗などで落ちていってしまうので、こまめに塗って効果を持続させましょう。
日焼け後のアフターケア
日焼け後の肌は熱を持ちつつ乾燥しており、且つ色素沈着も起こしています。こういった状態はシミやシワ、ソバカスなどあらゆる肌トラブルの原因になりますが、アフターケアを適切に行うことで回避できます。
まずは、日焼けした部位を冷やすことから始めます。濡らしたタオルや保冷パックなどで、皮膚の赤みが落ち着くまで冷やし続けましょう。
皮膚が剥離している場合は、無理に剥がすのはおすすめできません。強引に剥がすと、余計に肌を傷つけてしまう可能性があります。
ある程度肌の状態が落ち着いてきたら、保湿ケアを行っていきます。日焼けした肌は脱水状態になっていますから、潤いを与えることが重要なのです。保湿効果のある化粧水や、効能表記に「やけど」を含む軟膏などを使用し保湿しましょう。
同時に、水分補給や充分な睡眠で身体の内側からも調子を整えていけば尚良しです。新陳代謝によって皮膚が生まれ変わっていくなかで、日焼けのダメージは徐々に回復していくでしょう。
楽しい休暇が過度な日焼けによる肌トラブルで終わらないように気をつけたいですね。