鵞足炎について
鵞足炎に起こる膝の内側に起こる痛み。本当にツラいですよね。
では、その痛みが発生している膝の内側について詳しくご説明いたします。
■浅鵞足(せんがそく)
一般的に鵞足といえば、この浅鵞足を指す場合がほとんどです。浅鵞足には、「縫工筋」(ほうこうきん)「薄筋」(はっきん)「半腱様筋」(はんけんようきん)という3つの筋肉の腱が脛骨に付着しています。それがまるでガチョウ(鵞鳥)の足のように見えることから、鵞足という呼び名になったようです。
□縫工筋(ほうこうきん)
腰骨外側から太もも内側面に向かって伸びる筋肉で、大腿神経の支配のもとで股関節の屈曲・外転・外旋、膝関節の屈曲・内旋を担当しています。
□薄筋(はっきん)
恥骨下枝から大腿骨内側を通る筋肉で、閉鎖神経が支配しています。担当する動作は、股関節の内転・屈曲・伸展、膝関節の屈曲・内旋です。
□半腱様筋(はんけんようきん)
坐骨結節から股関節をまたいで太もも後面を通り、さらに膝関節をまたいで浅鵞足に付着する筋肉で、支配しているのは脛骨神経。股関節の伸展、膝関節の屈曲・内旋を行います。下肢後面にある3つの筋肉の総称「ハムストリングス」を構成する筋肉の一つです。
■深鵞足(しんがそく)
浅鵞足よりも下部に位置する鵞足で、「半膜様筋」という筋肉の付着部を指します。ちなみに、半膜様筋はそれぞれ、膝窩筋の筋膜、関節包後面(斜膝窩靭帯)、脛骨骨端の内側顆の3箇所に付着し深鵞足を形成しています。
□半膜様筋(はんまくようきん)
半腱様筋と同様のルートを通りつつ、途中からは、内側側副靭帯の下方で3つに分岐し、脛骨上部内側面、膝窩筋の筋膜、そして一部が深鵞足に付着する筋肉です。脛骨神経が支配し、股関節の伸展、膝関節の屈曲・内旋を行っています。また、ハムストリングスを構成する3つの筋肉のうちの一つでもあります。
鵞足炎の改善にはこれらの硬くなってしまった筋肉を柔らかくしてあげたり、歪んでしまった骨などの改善が必要になります。