新型コロナウイルス感染症で、特に重症患者によくみられる症状のひとつに血栓症があります。

英BBCによれば、新型コロナウイルス感染後に重症化した患者のうち、約30%に血栓がみられたそうです。ちなみに、呼吸困難、味覚や嗅覚の障害なども血栓が原因とされています。

怖い話ではありますが、実はこの血栓症は「夏血栓」の別名で呼ばれることもあります。血栓症は冬に発症しやすいことで知られていますが、夏も注意が必要というわけです。

夏血栓とは

夏血栓とは、夏に発症しやすいとされる血栓症を指します。

血栓症は、血管内に血の塊(血栓)が生じることで血液の流れが停滞してしまう疾患です。病態によっては塞栓症と呼ばれることもあります。

ちなみに、血栓ができた箇所が心臓から押し出される血液が流れる血管(動脈)である場合は動脈血栓症、心臓に流れ込む血液の流れる血管(静脈)の場合は静脈血栓症に分類されます。

血液は、全身の細胞へ栄養分や酸素を運ぶ重要な体液です。その流れが滞ってしまうと、血が行き届かなくなった細胞に壊死が起こり様々な疾患が引き起こされます。

血栓が原因となる病気の代表格としては、動脈血栓症に該当する脳梗塞心筋梗塞、静脈血栓症の場合はエコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)などが挙げられます。

血栓症は冬に発症しやすいとされていますが、海外の研究において、平均気温が32℃に達すると脳梗塞での死亡率が1.66倍に急増したとの報告もあることから、近年では夏の血栓症にも注意が呼びかけられています。

また、夏血栓は初期症状が熱中症と似ていることから、熱中症と間違われやすい点も指摘されています。

熱中症との違いとして、めまい、立ちくらみ、吐き気、息切れ、倦怠感などのほかに、片方の手足が動かない、ろれつが回らない、片脚が腫れているといった症状がある場合は血栓症の疑いがあるようです。

夏血栓になりやすい人

先月9日、静岡県の東富士演習場にて、自衛隊の陸曹長を務める45歳男性が血栓症による心筋梗塞で亡くなりました。

20kmの徒歩行進訓練を終えた後だったそうです。自衛官といえばタフそうなイメージですが、それでも血栓症になってしまうとなると、どんな人が血栓症になりやすいのか、原因が気になりますね。

血栓症は、血液、血管、血流に異常が起こることで発症に至るとされています。

具体的な要因は、自己免疫疾患感染症による血管壁へのダメージなど様々にありますが、こと夏血栓においては、脱水による血液濃度の上昇が原因であるケースが多いようです。ちなみに先に挙げた男性自衛官についても、脱水により血液がドロドロ状態になっていた可能性を医師が指摘しています。

夏は他の季節に比べ大量の汗をかきますし、飲む機会の増えるビールなどのアルコールは利尿作用が強く、脱水状態になりやすいです。血液がドロドロになると血栓が生じやすくなるので、お酒が好きな人は特に夏は注意すべきでしょう。

なかでもリスクが高いとされているのが高齢者です。加齢によって血管の機能は低下し、血圧が上昇する傾向にあります。高血圧になると動脈硬化を引き起こしやすくなり、血栓症のリスクも高まってしまいます。

また、運動不足で脚の筋肉が衰えている人も要注意です。足の筋肉のポンプ作用が弱くなると、血流が弱まることで血栓ができやすくなり、エコノミークラス症候群を引き起こしやすくなります。長時間座っているなどずっと同じ姿勢でいるのも同様で、両足に血栓ができやすい状態といえます。

特に今年の夏は、新型コロナウイルスのこともあり自宅に籠もりがちになって運動不足になる方も少なくないと思います。そういった意味では、夏血栓を含め体調不良のリスクは誰しもが抱えているのかもしれません。

また、これら以外にも、血糖値が高い人や糖尿病を患っている人、肥満体型の人も血栓症になりやすいそうです。

夏血栓を予防するには?

夏血栓を予防するのにまず大切なのは、水分補給を欠かさないということです。

夏の暑さのなか、汗などで体外へでていく水分量は必然的に増えますから、その分をしっかり補給し血液の濃度を一定に保ちましょう。

血液をサラサラにする栄養素を摂取するのも有効です。

例えば、納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素には血栓を溶かす効果があるとされていますし、

青魚に含まれるEPA

梅干しや酢などに含まれるクエン酸

ねぎやニンニク

に含まれるアリシンには血栓を生じにくくさせる効果があるそうです。

また、野菜や果物に多く含まれるビタミンCやビタミンEには血流を改善する効果があるとされています。

食事だけでなく、ウォーキングやジョギングなど、適度の運動を行い筋肉を鍛えながら血流を良くすることも大切です。デスクワークや自宅に籠もる際も、長時間同じ姿勢でいることを避けるため、ときどき手足を動かし血流を良くしましょう。

ちなみに、新型コロナウイルスに感染しても血栓症になる可能性がありますから、そういった意味ではウイルス対策も血栓症の予防になります。今年は”コロナ禍中の夏”などともいわれていますが、免疫力を維持しつつ健やかに乗り切っていきたいものですね。

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