イギリスが2002年から約14年間にわたり男女6000人を対象に行った追跡調査によれば、美術館や演劇、コンサートに行くなど芸術鑑賞をする機会が多い人ほど死亡リスクが低いことが明らかになったそうです。

ちなみに死亡リスクの具体的な低下率は、芸術鑑賞の場へ年1〜2回出掛ける人は14%、2〜3ヶ月に1回の人は31%と報告されています。

そんな驚きの調査結果まで発信されている芸術の世界ですが、芸術といえば、その代表格のひとつが音楽ではないでしょうか。

音楽の起源ははっきり解明されていませんが、現代では誰でも手軽に多様な音楽を楽しめます。そして音楽には、様々な心理効果があることが判明しています。

 

音楽による心理効果

音楽を聴くことによってどんなプラスの効果があるのかというと、まず挙げられるのはストレス解消効果でしょう。

これについては様々な機関で実験や研究が行われ、すでにその効果が認められています。

実際、気が滅入っているときやイライラしているときなど、無性に何か音楽を聴きたくなる瞬間ってありますよね。

そんなときは、すぐにでもストレスを発散できる手段として、脳が音楽を求めているのかもしれません。

ストレス解消だけでなく、そのときの気分に合わせた音楽を聴くことで、モチベーションの向上、リラックス効果、不安や緊張を和らげる、悲しみの軽減など、様々な心理効果を得られるのも音楽の凄さといえるでしょう。

悲しみの軽減を例に挙げれば、京都大学が行った実証研究において、”やや悲しい”ときに悲しい音楽を聴いても特に変化はありませんでしたが、”非常に悲しい”場合には悲しみが低減することが確認できたそうです。

音楽が、悲しい気分を肩代わりしてくれるのかもしれませんね。

 

医学博士の永田勝太郎医師によれば、例えば不安や緊張があるときはゆったりと呼吸をして気持ちを落ち着かせるためスローテンポの曲を聴くなど、人は無意識のうちに自らが必要としている呼吸に導く曲を選択しているそうです。

心と体はまさに一心同体ですから、気分によって今聴きたい音楽が変化するのは、心理だけでなく身体の状態とも関係がありそうな気がします。

 

音楽は脳を活性化させる?

音楽を聴いているとき、脳のなかで思考をつかさどる前頭前野が活性化し、脳機能が向上するといわれています。

いくつもの音を複雑に組み合わせ作られた音楽という知的芸術を理解するうえで、思考力が必要不可欠であるためです。

また、感情をつかさどる扁桃体が鑑賞中の音楽を分析し、その結果、そのときの自分の感情に共感できる音楽である場合に即座核からドーパミンを分泌させるそうです。

好きな音楽を聴くと気分が良くなるのは、ドーパミンの働きも影響しているのかもしれませんね。

現在は、認知症のリハビリとして、主に介護施設などで音楽療法が取り入れられています。普通の会話ができないほど認知機能が衰えた患者でも、音楽は認識できるそうです。

認知症になっても感情は残りますから、その感情をはじめとして、脳の様々な領域に働きかける音楽が有効なのは充分にあり得ることでしょう。

国立病院機構京都医療センターも、音楽療法を通じてBPSD(認知症の行動・心理症状)が改善したことを「音楽医療研究 第6巻」にて報告しています。

 

効果を高める音楽の聴き方

厚生労働省も推奨していますが、音楽効果をより高めるにはそのときの気分に合った曲、あるいは好きな曲をじっくり聴くのがベストです。そうすることで、音楽は自然にあなたの心身の状態を良い方向へ導いてくれます。音楽で喜怒哀楽の感情を解放しましょう。

 

 

また、むしろ気分を変えたい場合には、選曲次第である程度意図的に誘導することも可能です。

いきなり極端に変化させるのは難しいですが、段階を踏みながら曲を切り替えていけば無理なく気分転換できます。

テンションを高めたいならアップテンポの曲を、気持ちを落ち着かせたいならゆったりとしたバラードなどが良いでしょう。

お洒落にリラックスしたいならジャズやクラシックもおすすめです。

ヘビーメタルなどの激しい曲も、好きな方ならストレス解消になるでしょう。ヒーリングミュージックは心に癒やしを与えてくれます。

鈴虫の美しい鳴き声が響きわたる秋の夜長。

今年はいろいろと騒がしいニュースも多いですが、一時だけでもそういった事は忘れて、好きな音楽に聴き耽ってみてはいかがでしょうか。

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