冬になると無性にお酒を飲みたくなる、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に日本酒や焼酎、ワインといったお酒は、冬に飲むとまた違った趣を楽しめますよね。年末年始はイベントも多く、ついついお酒をたくさん飲んでしまいがちです。

しかし「酒は呑んでも呑まれるな」という言葉があるように、飲酒には常にリスクも付きまといます。冬ならば、アルコールの摂取にはなおさら注意すべきかもしれません。

冬の飲酒が危険をともなう理由

冬の飲酒にはそもそもどのような危険があるのか、という点でまず思い浮かぶのは凍死ではないでしょうか。

街なかで凍死だなんて冗談にも聞こえますが、決して笑い話にはできません。実際、熱中症よりも凍死で亡くなる人のほうが圧倒的に多いことが厚生労働省の調査で判明しているようです。

お酒を飲むと末梢血管が拡張され血流が増加しますが、その後、寒い場所に長時間いると血液が冷やされ低体温症になってしまいます。低体温症は深部体温が35℃以下に低下した状態を指しますが、さらにそのまま眠ってしまうと体調がどんどん悪化し凍死に至る場合があるのです。

また、冬場は、飲酒後に入浴するとヒートショックが起こる危険性があります。ヒートショックとは、急激な温度変化による血圧の変動で身体がダメージを受けることを指し、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になることもある怖い状態です。

脱衣所と浴室、入浴時の寒暖差だけでも血圧が急激に変動しますが、そこへアルコール摂取による血圧の変動が加わると、さらにヒートショックのリスクを高めてしまうのです。

ヒートショック現象

もちろんこれら以外にも、泥酔による転倒や転落、交通事故など、他の季節と同様の危険もあります。

冬はなぜお酒が飲みたくなる?

そもそもなぜ冬にお酒を飲みたくなるのでしょうか。米ピッツバーグ大学がWHO(世界保健機関)と世界気象機関のデータをもとに193ヵ国に関する気候と飲酒量の関係性を調査したところ、平均気温や日照時間と飲酒量には相関関係があることがわかったそうです。

ちなみに、日照時間が少ない寒い国であるほど飲酒量が多くなり、国民一人あたりの年間平均アルコール消費量のトップはベラルーシの17.5Lとされています。

アルコールには血管を弛緩、拡張させる作用があり、それによって血流を増加させ身体を温める効果があります。特にお酒が嫌いな人でなければ、寒い環境に適応するためにお酒を飲みたくなるのは自然なことなのかもしれません。

それに加え日本の年末年始は、クリスマス、忘年会、大晦日、正月、新年会など様々なイベントがあります。とにかく呑んで盛り上がろう!なんて、理由をつけてお酒を飲んでしまうのもまた日本独特の文化のひとつでしょうか。

お酒との上手な付き合い方

「酒は百薬の長」という古代中国の漢書由来の言葉があるように、お酒は適量であれば健康に良いともいわれています。

よくメリットとして挙げられているのが、血行促進、食欲増進、リラックス効果、コミュニケーションの円滑化などです。

しかしながら先述の言葉は、実際は「されど万病の元」と続くそうです。アルコールの摂取は、古代からすでに人体にとって害と隣り合わせだったのかもしれません。

ちなみに現在、WHOは、日常的な適量の飲酒についても病気のリスクが高いとしています。

日本の厚生労働省が公開している適度のアルコール摂取量は、男性なら1日あたり20g程度まで、女性は9gまでで、これ以上は飲めば飲むほど死亡率が上がるそうです。目安としては、ビール500mlが純アルコール20g、ワイン1杯が12gだそうです。

お酒と上手に付き合っていくには、まずは適量を意識することが大切でしょう。そのうえで、内臓の負担をやわらげる工夫をしてみてはいかがでしょうか。

例えば、飲酒時にチーズやナッツ類などの脂肪分を摂ることで、アルコールの吸収を抑えるほか、アルコールの刺激から胃腸の粘膜を保護する効果がありますし、枝豆や豆腐、肉類、魚などの高たんぱく質は肝細胞を活性化し肝臓の働きを助けてくれます。

いずれにせよ、食べながら飲むことでアルコールはゆっくりと吸収されるため、内臓への負担を軽減できますし、アルコール血中濃度の急激な上昇も起こりにくくなります。飲酒後は水分を補給し、アルコールの利尿作用による脱水症状を防ぎましょう。

様々なリスクがあるとしても、お酒を飲むことで、楽しい気分になったり、一時的でもストレスから解放されリラックスできたり、仲間との会話が弾んだりするのもまた事実です。

お酒を嗜むのなら、アルコールのリスクから目を背けず、ご自身の身体をいたわりながら上手にお酒と付き合っていきたいものですね。

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